2008年06月26日

内政干渉は止めたまえパート2

西さんが混血について書いてくれたが、それと漢人とは矛盾しない。福建人や広東人の中には、外見だけですぐに福建人や広東人だとわかる、つまり血筋が例えば北京人とは明らかに違う人たちがいる。ある日本人は「なんで広東には猿から進化してないような人が多いんだろうね」という感想を話していた。これは血筋も言葉も違うのに一つの民族を形成しているケースだ。

そして反対のケースもある。つまり、血筋も言葉も同じだと思われるのに、違う民族だと認識しているケースだ。漢人による完全乗っ取りが目前に迫った台湾

ふと、漢人の中にまぎれてフィールドワークに行った時のことを思い出した。原住民(何族に属するかは省略する。少々複雑な事情が彼らにはある)のある老人が昔話を、台湾でいうところの北京語で聞かせてくれたが、その中で「私たちは日本人のことを猿と呼んでいましたよ。はっはははは」という一幕があった。

と書いたが、実はこの老人たちがこのケースに当たる。

人類学(自然人類学と文化人類学の両方)の学者は、この老人たちがタイヤル族に属するという研究結果を出しているが、彼らはそんなことにはお構いなしで、自分達は独立した民族だと主張している。もちろん漢人と思われる人の中にも、自分が漢人ではないという人もいるかもしれない(我輩は出会ったことがないが)。トルコ人とギリシャ人なんて外見からは区別できないし、コーヒーを全く同じ飲み方で飲んでるくせに、異なる言葉を話し、全く異なる民族を形成している。

影丸さんの意見は、本省人はすでに台湾人としてのアイデンティティーをもち、新しい民族を形成している、そして原住民は本省人の考えに大賛成だということだ。飛び地さんが書いてくれた

素直に考えれば原住民は日本人支配も漢人支配も嫌なはず。と思うけれども。

というのは影丸さんから見れば全く素直でもなんでもない。我輩は飛び地さんの見方が自然だと思うが。

さて、中国では「中華民族」などというわけのわからない言葉が使われ、これには影丸さんが書いたウイグル人やチベット人が含まれる。異民族を「中華民族」という名の下に、漢人にゆっくり同化させていくのが中国共産党の狙いだ。

つまり、台湾では「台湾人」として、中国では「中華民族」として異民族を漢化させつつあるということだ。

歴史を振り返れば、今の福建や広東や台湾などは元々異民族が住んでいた土地だ。福建と広東はすでに漢化運動が完了し、元々は異民族であった地元の人たちが、自分を漢人だと思うようになった。民主主義というイデオロギー

我輩のある知り合いは少数民族だが、身分証をもらうまで自分が少数民族だとは知らなかったという。御両親も民族語を話すことができず、その知り合いもそれまでは自分が漢人だとおもっていたそうだ。

と紹介したこともある。ちなみにこの人は貴州の人だ。そして台湾でも漢化運動の完成が目前に迫っている。

不思議なことに、この漢化運動を応援しているのは、影丸さんから漢人に近いとの評価をもらった我輩ではなく、影丸さんだ。我輩はまだまだ漢人になる資格がないようなので、もっと精進せねばいかんのぅ。

台湾独立派の主張にはこんなものがある。

台湾が独立すれば、中国と同文同種で、中国に最も親しい国が誕生する。

影丸さんは、本省人であるということはつまり漢人ではないという主張をしているが、上海人は上海人でもあり漢人でもある。広州人は広州人でもあり、漢人でもある。台湾の本省人だけが例外だというのには無理がある。

上海人が他の地方の人を外地人として差別していることは散々紹介してきたし、上海人の中には「北京オリンピックのために上海から資金をごっそり持っていきやがった。なんで俺たちが北京人のために金を出さなきゃいけないんだ」と文句を言ってる人はうじゃうじゃいるし、「上海で悪さをしてるのは外地人なんだから、上海が独立すれば外地人を追い出して、外国にも負けない立派な国になれる」と豪語する人も腐るほどいる。

上海人は上海人としてのアイデンティティーをもっているし、北京人には北京人としてのアイデンティティーがある。台湾の本省人だけが特別なわけではない。


別の話題に移る。台湾人として独立のために戦っている人を尊敬するな

元韓国人である日本人が島根県に大量に移住し、独立運動を始めた。それをみたある台湾人が「独立のために戦うとは素晴らしいですね。本当に尊敬できる人たちですよ」と独立運動をしない人は尊敬できないという意味を暗にほのめかしながら影丸さんに話してきた。

さて、影丸さんはどう感じるだろうか。もちろん、台湾のことをよく御存知の影丸さんなら、台湾のいわゆる本省人というのは、アミ族やタイヤル族などを押しのけて台湾に住みついた人たち(我輩の言葉でいえば漢人)だということは当然知っているはずだ。そして独立のために戦ってる台湾人が少数派だということも。

と書いたが、これに対する影丸さんの反応は以下のものであった。

日本という国家内に国家を作る独立運動は国家分裂にほかならない。
台湾は中華人民共和国に一度たりとも統治下に置かれたことはない
台湾では少数民族が国家として存在していたわけではない。
台湾は長い間中華人民共和国で統治されその恩恵もすくなからず受けたわけでもない
今の台湾の台湾人というアイデンティティは台湾という郷土に根付くものだ。
それに対して血や民族で併合しようとする漢人に対して独立運動をしている人々を尊敬すると
言っている。
政治的な側面で言えば独立運動ではないな。すでに独立しているんだから。
つまり国際社会に承認させるための承認運動が正確か。

そして影丸さんは別の場所で

台湾人のアイデンティティを歓迎し協力して馬政権に圧力をかけ、またチベットウイグルを支援する。これが日本の必要な立場と考える。漢人に近い楼主さんは腹立たしいだろうが理解してもらいたい。

とも書いた。

ここで、影丸さんに質問したい。

日本という国家内に国家を作る独立運動は国家分裂にほかならない。

というのは仮の事実を認定した段階だが、この仮の事実に対する影丸さんの感想を聞きたい。もちろんチベットウイグルを支援するという御自身の主張も考慮しつつ。

我輩の立場は内政干渉は止めたまえに書いたとおりで

20年も中国圏で暮らしていると、例えば「お前らの政治家はなぜ軍国主義の象徴である靖国神社に参拝するのだ」というような言いがかりをつけられた経験が少なからずある。その時の気分によっては長々と解説したりもするが、面倒な時には一言で済ませる。それは「我々の内政に干渉するな」ということだ。

李登輝にビザを出すか出さないかは、我が国の問題であり、中国に文句を言われる筋合いはない、我々の内政に干渉するな、というのも同じ考えに基づいている。

さらに一歩進めて、内政に干渉するなといいつつ、他国の内政に干渉するのでは説得力がないというのが我輩の主張だ。







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posted by 楼主 at 12:02 | Comment(4) | TrackBack(0) | 嗚呼日本
この記事へのコメント
内政不干渉の原則に関し、少々誤解されているのでは無いかと。

他国の統治に関し、批判や抗議を行う事は「干渉」に当たりません。
批判事例に関し、経済制裁や政治的圧力がある場合は「干渉」と判断出来ます。
更に、人道的干渉や国際機構を通じての干渉は「慣例」として「干渉に当たらず」とされているようです。
そして内政不干渉の原則は、その事例が国際法に違反していない事が前提として主張出来るものであるのです。
Posted by ぽー at 2008年06月26日 16:03
>>本省人はすでに台湾人としてのアイデンティティーをもち、
新しい民族を形成している、。

アイデンティティは民族の形成を決定づけるだけの意味で発露するものではないはず。
アメリカ人にあなたはアメリカ人という意識を持っていますか?と聞いて
そうですと答えれば、アメリカ民族となるとは思えない。

>>そして原住民は本省人の考えに大賛成だということだ
大賛成とまでは言っていないがそう受け取ったのなら私の文章力が悪いか
あなたの読解力が悪いかだろう。また彼らの本省人と呼ばれる連中への排外運動やその民族の独立運動が認識出来る
レベルで見れない。チベットのように苛烈な訴えもない。あきらかに中国より台湾のほうが統治が暴力的でなく自由に発言出来るのに。もし本省人に大反対ならばデモぐらいは出来るだろう。それともそれらの行為は台湾の国家分裂罪なるものがあって出来ないのだろうか。

>>素直に考えれば原住民は日本人支配も漢人支配も嫌なはず。と思うけれども
もちろん嫌な人はいるだろう。
それとも各民族で代表を出し合い統治する形態でないと漢人支配になるのでみんな嫌がっているに
違いないというご意見か。

>>台湾では「台湾人」として、中国では「中華民族」として異民族を漢化させつつあるということだ。

中華民族とは文字通り民族の意味合いしかないが、台湾人というのは郷土の意味合いがある。けして台湾民族が
作られるということではない。
台湾でも少数民族の権利保護という政策がきちんとあり、台湾人として運動をしている連中はそれを
破棄して台湾民族としてしか存在を許さないなどと言っていないし、彼らを台湾民族だとも言っていない。
よく考えれば分かるが、もし台湾人という台湾の郷土に基づく原住民を含めた台湾アイデンティティを
取り除けば残るのはまさしく漢人による中華アイデンティティしかない。
台湾アイデンティティを否定することが中華アイデンティティに繋がることは分かりやすいことだと思うが。
中華アイデンティティの意味するところは中心となる漢人による支配だが、台湾アイデンティティというのは
台湾人による支配だ。

>>そして台湾でも漢化運動の完成が目前に迫っている。
台湾という同じ郷土の同胞アイデンティティ確立が漢人万歳に必ずしもリンクしないのは今までの行動から
見れば判断できると思うが。

>>この漢化運動を応援
漢人に近い楼主さんの認識は民族が漢人であれば全部漢化運動。
私の認識は、自分たちは漢人だという連中がする運動を漢化運動、台湾人だという連中がする運動が台湾運動。
そして大陸の漢化運動に抵抗している台湾人運動を応援している。

>>台湾が独立すれば、中国と同文同種で、中国に最も親しい国が誕生する。
残念ながら独立すれば台湾から親しくしようとしても大陸派からは激烈な仕打ちを受けるだろうから
そういう関係を築くことは利害関係がよほど一致しない限りは無理だろう。
中国大陸派にとって台湾併合は最大級の目標であり、独立されることは彼らの面子をぶっつぶす。
漢人が面子をぶっつぶされればどういう感情になるかは漢人に近い楼主さんはご存知でしょう。

>>上海人は〜広州人は〜台湾の本省人だけが例外だというのには無理がある。
上海人も広州人も独立した国家を形成してやってきていない。
自分たちが生まれた所で自分たちが決めて自分たちで運用し、自分たちで対外関係を構築し
自分たちの軍隊で守るという状態を継続してきたのは大きい。
また都合がいい事に、中国は台湾という国家に対しては原住民も漢人も
わけ隔てなく圧力をかけている。中国のミサイルは原住民だけを狙っているわけではない。
その圧力をかけていることでそれがなお一層団結とまではいかないが共同体意識に似たものを醸成させ
ているのではないか。

>>日本という国家内に国家を作る独立運動は国家分裂にほかならない。

これは全くその通りだが?
島根県の例えは、日本国領土である島根県に元韓国人が独立運動を始めたとある。
国家内に国家を作る行為に他ならない。
それがなんで中華人民共和国の領土ではない台湾の事例に当たるのか。
原住民が住んでいる=国家でないことぐらい分かるだろ?
そもそも台湾を日本からみた島根県。つまり中国から見た国内という理解からくる例えになったのだろうか。

Posted by 影丸 at 2008年06月26日 22:19
>>内政に干渉するなといいつつ、他国の内政に干渉するのでは説得力がないというのが我輩の主張だ。
つまりチベットもウイグルも台湾も中国の内政だと言いたいわけね。
まんま中国要人と同じ発言を言いますなw

漢人に近い楼主さんの主張
1.台湾は漢人の国だ!
2.チベットもウイグルも中国の内政の問題だ!
3.台湾人として独立運動をしている人を尊敬するな!
4. 謝罪要求は日本の主権である領有権問題ではなく、召喚行為にするべきだ!台湾と対決姿勢を示せ!

中国共産党(漢人)の主張
1.台湾は漢人の国だ!
2.チベットもウイグルも中国の内政の問題だ!
3.台湾人として独立運動をしている人を尊敬するな!
4. 尖閣諸島は我が領土。日台の対立を歓迎する!

あなたの主張は日本の主張の振りをしつつ、全部中国共産党の主張にかなっている。
台湾に謝罪せよという理由が召喚行為にあるのも、
領海侵犯に主軸が移らない姿勢もなるほど、領海侵犯という日本の領有権を追認してしまう
発言を避けたかった心理が働いたと考えられそうだ。
尖閣諸島が中国の領土であるという前提であるがゆえに領海侵犯という
日本の主権に迎合する発言をするのが躊躇われたと解すると納得できる。
では何故謝罪を強調したのか。それはあたかも毅然とした日本人だと見せかけるのと同時に、
日本と台湾の感情のぶつかり合いを目的としたただの日台離間の心理に基づいたものと考えればどうか。
そして台湾は実質漢人のものと主張し台湾人という郷土に基づく独自のアイデンティティの
形成から生まれる連帯を嫌った。確かにそれは中国にとって忌むべき行為だ。
台湾は中国の領土であり漢人のものであるからだ。ゆえに漢人に近い楼主さんは内政干渉をするなと吐露した。
独立志向派は漢人に近い楼主さんからはダライ一派に見えているのかもしれない。
まだある。台湾の圧力をかける方法として、アメリカと手を切る振りをして中国に近づくという発想
にも違和感があった。しかし日米安保破棄、日米の関係打破を主眼とする中国共産党思考から出たとすればこれまた符合する。中国人はしきりにアメリカの言いなりにならず(手を切り)日本は独自に行動すべきだとの日本人の自尊心を刺激する揺さぶりを懸けるがそれを想起してしまった。もちろんそれは日本単独では中国に抗うことが出来ないのを見越してのことである。
止めはチベットやウイグルが中国の内政問題という感覚。これで私の中では確信に近い感覚が芽生えてしまった。
あなたがしゃべるごとに漢人に見えてくるのはこういうのを感じ取れるからだろう。

そしてこの考えが一つの結論として私の中でまとまった。
ちょうど管理人も新たなエントリーを始めた。
これ以上話していても双方に時間の無駄であると考えるに至ったのは自然かもしれない。指摘があったなそういやw
私はこれでもう書き込みをすることを控えようと思う。まあ後日haruとかいう人と同等の扱いを受けるだろうが
それはかまわないwただし漢人に近い楼主さんの本質が垣間見えたのは収穫だったと思う。
これからこちらにお邪魔することはないかもしれないが、以前のように賑わうサイトになることを願う。
最後に日本と台湾の関係は重要で日台間の連携、日米安保の保持、日本の普通国家化
これらが機能して初めて日本の国益ひいてはアジアの秩序に貢献出来ると確信している。以上。
Posted by 影丸 at 2008年06月26日 22:20
桜主さんは中国や台湾の内政によって日本の安全に脅威が及ぶとしても、内政干渉だとして黙っておくべきだと考えますか?
中国から流れてくる汚染物質や漂着ゴミへの批判も内政干渉ですか?
台湾が親日であれば日本には利益だし、反日になれば損失です。
靖国問題は他国に脅威を与えませんが、中台統一が日本に何の影響もないはずがありません。
Posted by K at 2008年06月27日 09:11
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