この記事の冒頭に毛沢東が話したという言葉があるので引用する。
昭和39年に社会党佐々木更三委員長の謝罪に対した、毛沢東初代国家主席・中国共産党主席の言葉。「何も申し訳なく思うことはありませんよ、日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。中国国民に権利を奪取させてくれたではないですか。皇軍の力なしには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。」(「毛沢東思想万歳」(下))
これは腑に落ちない言葉だと感じ、調べてみると色々興味深いことがわかった。1喝たぬきさんからのトラックバックへのお礼も込めて「番外編」というカテゴリーを新たに作り記事にしてみたい。
>皇軍の力なしには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。
の「我々」とは誰を指すのか。1喝たぬきさんの記事のタイトルに「〜中国に大きな利益を〜」とあるように、「中国」を指すのかと思いきや、隠された事実がみつかった。
中国語で検索してみると、たいていがこのWikipediaから引用しているもののようだった。それは
中国...就奪取不了政権!というものだった(ここはShift-JISなので漢字を少し変更した)。しかし「中国...」がいかにも怪しげだ。
そしてその省略されている箇所が示されているものをようやく探し当てた。
毛沢東 @ 参考文摘を見てほしいが、
中国共産党就奪取不了政権!(漢字を変更済み)とあった。もうおわかりだろうが、上で「我々」と故意にぼかして翻訳されたのは「中国」ではなく「中国共産党」なのだ。
つまり、1喝たぬきさんの記事のタイトルは「日本軍国主義は中国共産党に大きな利益をもたらしました」のはずだったということだ。
さらにいうと「毛沢東思想万歳」(下)という本を書いた人は、明らかに情報操作をしている。中国語の原文を訳してみると以下のようになる。
ワシは日本の友人と話をしたことがある。彼らは日本皇軍が中国を侵略して申し訳ないというんだ。しかしワシは言ってやったんだ、そんなことはない!あなた方皇軍が中国の大半を侵略しなければ、中国人民が団結してあなた方に立ち向かうことはできなかったし、そうなれば中国共産党も政権をとることができなかったのだ!とな。
「毛沢東思想万歳」(下)にあるというその箇所には「中国に〜利益をもたらし」とか「中国国民に権利を」などと書かれているが、全くの嘘っぱちだ。「毛沢東思想」という名を騙った作者の思想に過ぎない。こんなことでは毛主席に申し訳がたつまい。
中国についてなにかを感じたら
詳しい解説をありがとうございました。
Wiki に出ているものは、文章内容から見て、会見の記録そのものではなく、毛さんがかなり後になって回想して語っているものですよね。
それに対して、『毛沢東思想万歳』 のものは、会見の記録 (多分録音) から直接起こされたもののようで、日本社会党側の記録でも同文だと伺っています。
『毛沢東思想万歳』 からの正確な引用文が↓のページにあるので (ネット上には不正確な引用も多いです)、ご参照いただけると幸いです m(_ _)m。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=25481