2005年05月21日

嘘っぱちの『「毛沢東思想万歳」(下)』

1喝たぬきさんの毛沢東「日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました」からありがたいトラックバックをいただいた。

この記事の冒頭に毛沢東が話したという言葉があるので引用する。
昭和39年に社会党佐々木更三委員長の謝罪に対した、毛沢東初代国家主席・中国共産党主席の言葉。「何も申し訳なく思うことはありませんよ、日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。中国国民に権利を奪取させてくれたではないですか。皇軍の力なしには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。」(「毛沢東思想万歳」(下))

これは腑に落ちない言葉だと感じ、調べてみると色々興味深いことがわかった。1喝たぬきさんからのトラックバックへのお礼も込めて「番外編」というカテゴリーを新たに作り記事にしてみたい。

>皇軍の力なしには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。
の「我々」とは誰を指すのか。1喝たぬきさんの記事のタイトルに「〜中国に大きな利益を〜」とあるように、「中国」を指すのかと思いきや、隠された事実がみつかった。

中国語で検索してみると、たいていがこのWikipediaから引用しているもののようだった。それは
中国...就奪取不了政権!
というものだった(ここはShift-JISなので漢字を少し変更した)。しかし「中国...」がいかにも怪しげだ。

そしてその省略されている箇所が示されているものをようやく探し当てた。

毛沢東 @ 参考文摘を見てほしいが、
中国共産党就奪取不了政権!
(漢字を変更済み)とあった。もうおわかりだろうが、上で「我々」と故意にぼかして翻訳されたのは「中国」ではなく「中国共産党」なのだ。

つまり、1喝たぬきさんの記事のタイトルは「日本軍国主義は中国共産党に大きな利益をもたらしました」のはずだったということだ。

さらにいうと「毛沢東思想万歳」(下)という本を書いた人は、明らかに情報操作をしている。中国語の原文を訳してみると以下のようになる。
ワシは日本の友人と話をしたことがある。彼らは日本皇軍が中国を侵略して申し訳ないというんだ。しかしワシは言ってやったんだ、そんなことはない!あなた方皇軍が中国の大半を侵略しなければ、中国人民が団結してあなた方に立ち向かうことはできなかったし、そうなれば中国共産党も政権をとることができなかったのだ!とな。


「毛沢東思想万歳」(下)にあるというその箇所には「中国に〜利益をもたらし」とか「中国国民に権利を」などと書かれているが、全くの嘘っぱちだ。「毛沢東思想」という名を騙った作者の思想に過ぎない。こんなことでは毛主席に申し訳がたつまい。






中国についてなにかを感じたら人気ブログランキング人気blogランキングをクリックして応援してほしい。多謝。

posted by 楼主 at 14:47 | Comment(4) | TrackBack(3) | 検証しよう
この記事へのコメント
私の拙い文章を補っていただける
詳しい解説をありがとうございました。
Posted by 1喝たぬき at 2005年05月22日 07:12
深いですね。あの頃は本当に良かったですよ。まだ42ですが、讃?燭気鵑???里?犬い気鵑里茲Δ平討靴澆魎兇犬討い泙靴燭?蕁?△陵イ靴ぞ亟蕕燭泙蠅泙擦鵑任靴拭
Posted by toriyaです at 2005年05月26日 20:20
 こんにちは (^^)/。

 Wiki に出ているものは、文章内容から見て、会見の記録そのものではなく、毛さんがかなり後になって回想して語っているものですよね。

 それに対して、『毛沢東思想万歳』 のものは、会見の記録 (多分録音) から直接起こされたもののようで、日本社会党側の記録でも同文だと伺っています。

『毛沢東思想万歳』 からの正確な引用文が↓のページにあるので (ネット上には不正確な引用も多いです)、ご参照いただけると幸いです m(_ _)m。

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=25481
Posted by 夜帆。 at 2005年06月28日 17:03
毛沢東は非情な人間だったが、どんなときにも理想主義を捨てることはなかった。彼はスターリンやヒットラーのように秘密警察を使って政敵を葬ることをしなかった。党員の資質を高めるための「整風運動」も、上意下達式の命令によらなず、党員同士の相互批判によって、腐敗を事前に防ぐという手段をとった。

彼の根っこは、若い頃に心酔したカント的な理想主義にあったのである。マルクス主義はその上に接ぎ木された二次的なものだった。

共産党員になってから、彼は湖南の農村で対地主闘争に専念することになる。この活動を通して彼は、身を粉にして働く小作農の生活に密着し、新しい時代を作るのは彼らの勤労精神にほかならないと確信するようになる。こうした確信に彼を導いたのは、学生時代から培ってきた清教徒的な理想主義が意識の底にあったからだ。

毛沢東が旗を振れば、紅衛兵が一斉に従った。毛沢東思想には、若い世代に特有の理想主義を励起する要素が含まれていた。
Posted by 赤塚慎也 at 2012年03月17日 08:47
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL


敵国を利用する野党
Excerpt: Yahoo!ニュース - 共同通信 - 政権交代への道筋付けた 代表就任1年で岡田氏 小泉純一郎首相が靖国神社の参拝問題で、中国、韓国の反発に不快感を示したことに関しては「日本国の首相..
Weblog: Rising Sun
Tracked: 2005-05-21 16:26

中国呉副首相ドタキャン騒動の波紋
Excerpt: 書いたつもりが忘れていました。あえてトップに追記。 電脳補完録さんで現在家族会・救う会の座り込みを行うことに関して アンケートを行っています。 あまりにも事態が進展しないので、こういう話..
Weblog: 人生とんぼ返り
Tracked: 2005-05-25 20:41

中国の中高生の「英雄」は故毛沢東主席
Excerpt:             中国の中高生の「英雄」は故毛沢東主席 28日付の中国紙、京華時報によると、中国の中高生にとって「英雄」の第1位は故毛沢東主席であるこ..
Weblog: アジアのトンデモ大国
Tracked: 2005-05-29 20:11
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。