2005年06月22日

近親結婚

我輩が目にしたことがある全てのブログの中で、最も立派だと断言できるブログである神風特攻ブログ:燃えよ!ニッポン:武士の国!を主催されている紫藤ムサシさんから近親結婚についてのコメントをいただいた(実際は近親相姦についてだが、あえて気づかなかったことにする)。我輩にできることはネットでその条文を見つけることぐらいなので、早速翻訳する。

ちなみに規定されていたのは婚姻法の第二章の第七条だった。

以下の情況に当てはまるものは、その婚姻を禁止する:

(一)直系の血族と三代以内の傍系の血族;

(二)医学上結婚すべきでないとみなされる病気を患っている。


ちなみに第十条で以下のものは婚姻が無効とみなされると規定されている。

(一)重婚のもの;

(二)結婚を禁止されている血族関係のもの;

(三)婚前に医学上結婚すべきでないとみなされる病気を患い、婚後に全癒していないもの;

(四)法定の結婚年齢に達していないもの。



関連した条文はこれだけだが、婚姻法の第二章の第七条には解説も載っているので、長いがゆっくり見ていこう。

血族とはおもに同じ先祖から生まれたものを指し、血縁関係がある親族のことで、すなわち自然の血縁関係である;そして法律で決められた血縁も包括し、すなわち血縁がなくても、法律が自然の血縁関係と同等の権利と義務を有する血族、例えば養父と養子養女、継父母とその扶養教育を受ける継子女なども血族と見なす。

血族間の結婚を禁止するのは優生のためである。人類の両性関係の発展が証明している通り、血縁が近すぎる血族の通婚は、双方の生理上の欠陥を子孫に残すことが多く、家庭の幸福に影響をあたえ、民族の健康を害する。そして血縁関係のない氏族間の婚姻は、体質面と知力面でより強い人種を作り出すことができる。したがって、各国の法律は一定範囲内の血族の結婚を禁止している。例えば日本の民法では三親等以内の傍系の血族の結婚を禁止している。スイスの民法典では直結の尊属と直系の卑属の間、全血縁あるいは半血縁の兄弟姉妹の間、および父方のおじ、母方のおじ、母方の姉妹の夫、父方の姉妹の夫と父方の姪、母方の姪の間、父方の伯父の妻、父方の叔父の妻、母方のおじの妻、父方のおば、母方のおばと父方の甥、母方の甥の間の結婚を禁止している。我が国でも古来より「男女同姓だと、子孫が繁栄しない」という言い方があり、西周からずっと、同姓の結婚を禁止してきた。唐の時代には同姓の結婚を二年の刑と規定されていた。明清の法律では:同姓で結婚した場合、おのおの六十の鞭、そして結婚を認めないと決められていた。清末になると、同姓結婚の禁止を同宗結婚の禁止と変更された。我が国の台湾の「民法」では以下のものが禁じられている:(1)直系の血族と直系の婚姻。(2)傍系血族のうち六親等以内のもの、ただし養子関係によって成立した四親等および六親等の傍系の血族で、長幼の順序が同じものは、この限りにあらず。(3)傍系五親等以内、ただし長幼の順序が同じものは、このかぎりにあらず。新中国が成立した後、1950年に婚姻法が直系の血族、同じ父母から生まれた兄弟姉妹、同父異母あるいは同母異父の兄弟姉妹の結婚を禁止したほか、その他五代以内の傍系の血族間の結婚問題についても、慣習から規定を設けた。1980年に婚姻法は直系の血族の結婚を禁止する規定を残したほか、三代以内の傍系の血族の結婚も明確に禁止した。今回の婚姻法の修訂は血族の結婚についての範囲には何も触れていない。したがって、婚姻法が結婚を禁止する血族は二種類:

(一)直系の血族。両親子息の間、父方の祖父母、母方の祖父母と孫達の間を含む。つまり父親は娘を妻にすることや、母親が息子に嫁ぐことはできない。祖父と孫は父方母親を問わず結婚できず、祖母と孫も同じである。

(二)三代以内の傍系の血族。(1)同じ父か母をもつ兄弟姉妹。(2)長幼の順序が異なる叔父、伯父、父方のおば、母方のおじ、母方のおばと甥、姪。つまり叔父(伯父)は兄(弟)の娘と結婚できない;父方のおばは兄弟の息子と結婚できない;母方のおじは姉妹の娘と結婚できない;母方のおばは姉妹の息子と結婚できない。


立法の過程で、結婚を禁止する傍系の線引きで、国際上で通用している「親等」の計算方法を採用すべきだという意見が出た。親等は親族の近さを測る単位のことである。すなわち一世代を一親等とし、親等の数が多ければ、関係が遠いことになり、親等の数が少ないほど、関係が近いことを示す。国際的に普及している親等の計算方法には以下のものがある:

1.ローマ法親等計算法。
(説明は省略)
2.寺院法の親等計算法。
(説明は省略)


我が国の婚姻法の中での血族の計算方法はローマ法の計算方法に似ている。しかし直接換算することはできない。(一)我が国の「代」には自分も計算に含むが、ローマ法は含まない。(二)我が国の三代以内の傍系の親等はローマ法の四親等の傍系になり、四代以内の傍系の血族となる。我が国の計算方法は国民の間に広く浸透していて、実際上も大きな問題がないことを考えると、ここで他の計算方法を採用すると、かえって混乱をきたす可能性がある。したがって、立法者は計算方法を修正しなかった。


なにがしかの感想なり考えなりを書こうと思っていたが、翻訳するだけで疲れてしまい、読み直してタイポをチェックする気さえ起こらなくなった。

その代わりにいつも思うことをこの場を借りて書いておく。
一、中国語を訳すのは疲れる。英語だとかなり長く見えても、実際に訳してみるとかなり短くなるものだ。中国語はこの逆で、一見して短く見えるものでも、訳してみるとかなり長くなる。なにしろ国連の議事録でも中国語のものが圧倒的に薄くなるということのようだ。
二、家族関連の語彙が多すぎて困る。例えば日本語の「おじ」は「両親の兄弟」ということだが、中国語では「母親の兄弟」「父親の弟」「父親の兄」と三つの独立した言葉が使われる。




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posted by 楼主 at 21:45 | Comment(5) | TrackBack(0) | 検証しよう
この記事へのコメント
 どうも、お礼が遅れまして、申し訳ありませんでした。
 わざわざ私のために記事まで作成していただいて、また更に過分なお褒めのお言葉とリンクまで張っていただきまして、本当にありがとうございました。お礼の申しようもありません。
 「近親結婚の禁止規定」につきましては、早速”お気に入り”に追加し、いつでも見られるように致しました。
 ”楼主”さまにも、大変・お骨折りをおかけしてしまったようで、どうも申し訳ありませんでした。
 和訳の文は保存してから印刷し、今後の参考に活用させていただきます。本当にありがとうございました。

 話は少し変わりますが、
 日本の姓(苗字)は、約30万以上もあり、世界一です! 多い順に”佐藤””鈴木””高橋””田中”となりますが、
 中国では、何と”3500しか”ありません! 多い順に”李””王””張”です。
 更に更に驚くことに、
 韓国では、”250しか”ないのです!
 多い順に、”金””李””朴”です。
 ちなみに、ヨーロッパでは”全体で5万弱”です。
 これは、どういうことでしょうか?
 私の推察するところ、やはりこれは「近親結婚の禁止」の考え方の”民族性の違い”に由来するものだと思います。
 結論から言いますと、「(中国では)近親結婚を禁止するために、姓(苗字)が少ない」のではなく、
 「姓(苗字)が少ないがために、近親結婚を禁止するようになった」のではないかと思います。(まだ確定的なことは言えませんが)
 そこで”楼主”さま。
 お聞きしたいのですが、
 法律上は分りました。
 実際はどうなのでしょうか?
 昔の中国に「宗族・門中」があったことは、存じております。ただし、共産党の時代になって、徹底的に破壊されたはずです。
 それが、現在ではまた復活しているのでしょうか?
 現代の中国人は結婚するときに”血縁関係が深い”ことを気にして忌避する傾向があるのでしょうか?
 (日本人と比較しての話ですが)
 台湾の例でもいいです。ただし、台湾は”本省人”と”外省人”の違いはあるでしょうが・・・。
 もしよろしかったら、お教え願えませんでしょうか?
Posted by 紫藤ムサシ at 2005年06月23日 21:38
 忘れておりました!「ブログ党」創立宣言のほうは訂正いたしましたが、確かに「桜魂」さんの”コメント欄”はありませんでした。
 ただし私は、彼の住所も電話番号も知っておりますので、「私のところへコメント」いただければ、転送いたします。
 そして、今”いかるが”さんから頼まれていることがありますので、それを記事にし(24か25日になると思います)、電話で直接「党の設立」を促してみようと思っております。
 「手羽元のコーラ煮」は面白かったですね(笑)!どんな味がするんでしょうかね?
Posted by 紫藤ムサシ at 2005年06月23日 22:03
尊敬する紫藤ムサシさんのせっかくの要望なので、我輩の主観で答えることは止め、少しネットで調べてみた。

http://www.ynift.edu.cn/yld/web/Article/ShowArticle.asp?ArticleID=154
にちょうどよさそうなものが見つかったので翻訳する。

[14]歴史上、同姓結婚のタブーが堅く守られ、血縁関係のない同姓間での結婚も礼法により許可されないこともあった;しかしその一方で、民間ではこのようなタブーを犯す例も数多く見られた(瞿同祖,1981:89-92)。調査によると、今日の農村にもこのような慣習が根強く残っている(王滬寧,1991:“付録”)。ありていに言って、宗族意識が強い地域では、このような慣習が色濃く残っていて、習俗に違反した場合に世間から強烈な反発が起こる。例えば甘粛省のある土地に張と李の姓があるが、姓は異なっても同宗の子孫であるため、80年代の初期、張姓の男と李姓の女が愛し合い、その土地で大きな問題となったが、これは二人が同宗であるばかりか、族譜によると、長幼の順序が違いすぎたことによるものだった。そして、二人は家族から縁を切られ、別の土地に引っ越した。もし以前このようなことが起これば、当人達は殺されていたとのことだった(王滬寧,1991:“付録”の“案例11”)。また湖北雲夢盛寨村の同姓だが近親でない二人が、家族からの許可を得られず駆け落ちし、大きな「事件」となった。双方の家族とも慣習を破ったものと考え、二人を連れ戻して罰を加えると話した(《民主と法制》1989,11,9ページ)。

また
http://www.pdsdaily.com.cn/gb/content/2002-09/14/content_80056.htm
にも近親結婚がかつて10%を超えた村が紹介されている。

また法律の話になるが
http://www.zh5000.com/ZHWQN/zhou/xizhou/xizhou-0005.htm
に「西周は子孫を繁栄させるため、同姓間の近親結婚を厳しく取り締まった。この原則は中華民族の子孫の繁栄に大きな意義を持っている。」とあった。

関係があるかわからないが、
http://www.xiangyata.net/data/articles/b02/174.html
二十世紀の中国の宗族研究というもの書き留めておく。
Posted by 楼主 at 2005年06月23日 23:56
コンバンワ。初めまして藍と申します。
ちょくちょく覗かせていただいており、今回書き込みさせていただくに至りました。

台湾の婚姻について非常に興味深い内容です。
そこで一つ、お尋ねしたいのですが(無知ですみません)。”長幼の順序が同じものは、この限りにあらず”とはどういう意味なのでしょうか。
例えば、自分から見て、母の従弟(祖父の弟の子:いとこちがい)と自分の年齢が近い場合は結婚できるということなのでしょうか?

Posted by 緑 at 2005年08月19日 00:44
緑さん、こんなマイナーな記事を細かく読んでいただけて、本当にありがたい。特にあるテーマについて検索し、長々と訳したものにコメントを書いていただけると、その喜びもさらに大きくなる。

さて、ご質問の件に関しては、「長幼の順序」がポイントになると思う。もっと直接的な日本語があれば教えてほしいのだが、「長幼の順序」とは中国語の「輩分」を苦し紛れに訳したものだ。

「長幼の順序」というのは、族譜で同じレベルのことを指している。例えば、祖父の弟の子と祖父の兄の子は同じ「長幼の順序」ということになる。これは年齢に関係なく、共通の先祖から数えていくつ下がったところにあるかということについてのみ決定される要素だ。

したがって、例えば緑さんと、甲さんが結婚しようとしたら、甲さんは遠い親戚で、しかも甲さんのほうが年齢が上なのにもかかわらず、「長幼の順序」は緑さんより二つ下だった、などということも考えられる。

「長幼の順序」を非常に気にする地方もあり、上のような例には断固として反対するケースもあるようだ。
Posted by 楼主 at 2005年08月19日 13:39
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